【地殻変動】上昇する海水温度(米西海岸沖で大量のメタン放出の可能性)/カムチャッカとアイスランドの火山噴火状況
- 2014/12/20
- 16:16
太平洋が爆発する? あるいは地球の海がデッドゾーンと化す?
: 海水温度の上昇で膨大な量のメタンが太平洋の海底から噴出しているより抜粋
異常に暖かい海水表面温度

▲ 2014年12月06日の記事「北半球の雪で覆われた面積が観測史上最高を記録。なのに、気温と海水表面温度は観測史上で最も高いという異常な矛盾」より。
世界全体として、今年の海水の表面温度が平年(1981年から2010年の平均値)より高いのがわかるのですが、特に、太平洋のアメリカ側の海水温の高温が際立っています。
ちなみに、世界全体の海水表面温度は、7月の時点では、平年より 0.2℃ほど高かったそうですが、1981年からのグラフで示しますと、2014年は、以下のように観測史上最高の海水温度となり、その海水温度の上昇は現在も続いています。

・Bob Tisdale – Climate Observations
しかし、この「全体が高い」という数字は、世界全体の海水温度が均等に高いというより、「太平洋の海水温度が高いことによって全体の平均値が押し上げられている」と言っていいかと思います。
もう少しわかりやすい図を見つけましたので、そちらを見ますと、この状態がはっきりとわかります。

・Bob Tisdale – Climate Observations
ちなみに、日本列島の周辺はグレー(平年とほぼ同じ)かグリーン(平年よりやや低い)が多いですが、北海道の周辺の海域は黄色(平年よりやや高い)というようになっています。
そして、オホーツク海の樺太の周辺の海域は「平年より異常に高い」となっています。

この日本の北部の海水温度の異常な高さも不気味ですが、今回の記事には、このオホーツク海域は、海水表面ではなく、海底の海水温度がもともと高いことが記されています。
そして、そのオホーツク海の暖かい海水が太平洋からアメリカ沿岸部にまで流れて、太平洋全域の深海の海水温を上昇させているというような推論が書かれています。
(中略)
そんなわけで、ここから記事をご紹介します。
なお、記事に出て来る「ワシントン沖」というのは、ワシントンD.C. のことではなく、ワシントン州という西海岸にある州のことです。

このワシントン州の沿岸を中心として、すさまじい量のメタンの放出が確認されているとのことです。
Warmer Pacific Ocean Could Release Millions Of Tons Of Seafloor Methane; 'We Looked At The Amounts, It's Significant'
Underwater Times 2014.12.09
暖かい太平洋は海底から数百万トンのメタンを噴出している可能性がある。
「私はその量を見た。それはおびただしいものだ」
アメリカの西海岸沖では、海底の凍結層にメタンが閉じ込められている。
ワシントン大学の最新の研究によれば、その海底層の中間ほどの深さの場所の海水温度は、凍結層の炭素堆積物を溶融させるのに十分な温度があり、結果として、堆積物中にメタンを放出し、海水を取り囲む可能性があることが示された。
研究者たちは、ワシントン州沖の海水が、500メートルの深さで徐々に暖かくなっていることを発見した。海底 500メートルというのは、メタンが個体からガスへと気化するのと同じ深さだ。
この研究では、海水の温暖化は、強力な温室効果ガスの放出に繋がる可能性があることを示す。
今回の研究結果を、アメリカの地球物理学専門誌「ジオフィジカル・リサーチ・レターズ( Geophysical Research Letters )」に共著した、海洋学のエヴァン・ソロモン( Evan Solomon )助教授は、以下のように語った。
「私たちの計算では、その量は、2010年のディープウォーター・ホライゾン(2010年のメキシコ湾原油流出事故)の原油の流出が『ワシントン州の沖で毎年起きる』ほどの量と同等のメタンであることを示します」
科学者たちは、地球温暖化はガスハイドレートからのメタンの放出によって起きるだろうと確信しており、現在その焦点は北極にあてられている。
今回の論文では、1970年から 2013年まで、約4万トンのメタンがワシントン州沖からハイドレート分解物として放出されたと推定している。
「メタンハイドレートは、非常に巨大で崩壊しやすい炭素の貯留地です。そして、それは温度の変化により放出され得るのです」と、ソロモン助教授は述べる。
メタンは天然ガスの主成分であり、低温及び高い海洋圧力によって、海水とメタンハイドレートと呼ばれる結晶が結合する。
アメリカの太平洋岸北西部は、生物学的な生産性のある海域であることと強い地質活性を有するため、異常な量のメタンハイドレートの貯留地となっている。
しかし、他にも、世界中の海岸線に、同じように温暖化に影響を与える貯留地がある可能性がある。
ワシントン州沿岸の海水温度について、初めて歴史的な量のデータをとったのは、この論文の共同著者であるポール・ジョンソン( Paul Johnson )教授だ。
そのデータは、予期していなかった海水の表面温度の上昇の徴候を明らかにした。
「データが精錬されておらず、また雑然としたものだったにも関わらず、私たちはその傾向を見出すことができたのです。何しろ、それは飛び出すようなデータだったのですから」
この 40年間のデータは、深海の海水は、おそらく驚くべきほど温められ続けていたことを示唆しており、それは気候変動の一因となっていると考えられる。
暖かい海水は、おそらく日本とロシアの間にあるオホーツク海から来ている。この場所は、海水表面が非常に濃い。そして、暖かい海水はそこから太平洋に広がった。
オホーツク海は、過去 50年間暖かくなり続けていることが知られており、他の研究では、この水が大西洋からワシントン沿岸にまで到達するには、10年から 20年かかると考えられている。
そして、これと同じ深海の海流は、北カリフォルニアからアラスカまで到達しているとソロモン助教授は確信している。
ハイドレート分離により、今世紀に今後放出されるガスの量の推定値は、毎年4億トン( 0.4 million metric tons )、あるいは、メキシコ湾原油流出事故の4倍が毎年放出される量だ。
しかし、いまだに、放出されたメタンガスの最終的な行き先は不明だ。
海底堆積物中のバクテリアによって消費されているか、あるいは、その場所の海底は酸性化したり、酸素欠乏状態となっているかもしれない。
または、メタンのいくらかの部分は海水の表面にまで上昇しているかもしれない。その場合、温室効果ガスとして大気中に放出され、気候変動に影響を与えているかもしれない。
ジョンソン教授とソロモン助教授は、放出されたメタンの最終行き先を分析している。
そして、2人が示唆する点で重要なのは、上昇したメタンガスによる海面の気泡の目撃情報について注意している点だ。海底からのガスの一部は表面に達し、大気に入っていることを示唆する。
(転載終了)
■カムチャツカのシヴェルチ火山 高さ1万メートルの噴煙を噴き上げる
2014/12/18|ロシアの声

© Photo: http://www.vesti.ru/" target="_blank" title="«Вести.Ru»">«Вести.Ru»
カムチャツカのシヴェルチ火山が高さ4500メートルと1万メートルの2本の噴煙を噴き上げた。なお、居住区で降灰は確認されていない。
シヴェルチ火山の火山警戒レベルの航空 カラーコードは、今も1-5段階のうち4段階の「オレンジ」が発令されている。航空当局に対しては、火山灰が航空機のエンジンに深刻な影響を与えトラブルが発生する恐れがあることなどについて警告が出され、飛行ルートを変更するよう勧告が出さている。
Vesti.ruより
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_18/281426345/
(転載終了)
■カムチャッカ、ジュパノフスキー火山が海抜4キロの噴煙
2014/12/16|ロシアの声

© Photo: RIA Novosti/Alexandr Piragis
カムチャッカ半島で噴火活動中のジュパノフスキー火山が海抜4キロの高さまで火山灰の柱を噴き上げた。16日、ロシア非常事態省カムチャッカ地方支部が明らかにした。
非常事態省によれば、火山灰はカムチャッカ地方の居住区へは降っていない。
観光会社にはジュパノフスキー火山付近の観光ルートを使用しないよう呼びかけがなされた。火山は現在、航空機に及ぼす危険度の指標で2番目に高い「オレンジ」。付近の飛行は行なわれていない。
今回の噴煙活動は1月間で2度目。前回は12月1日に観測されており、噴煙の高さも同じく海抜4キロまで達している。
インターファックス通信
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_16/281333316/
(転載終了)
■アイスランドのバルダルブンガの噴火の火山ガスは、2015年にヨーロッパ全体の気候パターンを変えるかもしれない
転載元:来たるべき地球のかたちさんより

▲ 2014年12月11日の英国テレグラフより。
(中略)
この火山というのは、具体的には、アイスランドのバルダルブンガ火山のことで、
・噴火の時代:バルダルブンガ火山の噴火による「火山ガス」で多くの国民の日常生活が追いつめられてきたアイスランド
2014年11月11日
という1カ月前の記事でも取り上げたように、噴火以来、火山ガスの二酸化硫黄ガスが絶え間なく流出し続けており、それは現在も続いています。
下は12月13日のアイスランドの大気汚染予測ですが、風向きや風力により範囲は日々違うとはいえ、アイスランドは、常に相当な面積を二酸化硫黄ガスが覆い続けています。

・アイスランド気象庁
サクソバンクの予測では、この状態が続くと、2015年には、この二酸化硫黄ガスがヨーロッパの天候を変えてしまうとしています。
そのページをご紹介したいと思います。
この噴火が、実は過去1万年などでも例を見ない巨大な影響を与える可能性のある噴火であることが改めてわかります。
・SAXO BANK
火山噴火が穀物生産を直撃
長く噴火と群発地震が続いているアイスランドの氷底火山バルダルブンガは、その大きさがマンハッタン島ほどもある巨大な火山だ。
バルダルブンガのカルデラは急速に沈み込み、ホールローン地区( Hohluraun )の火山の下のマグマ溜まりは危険な崩壊を見せている。
この崩壊が、さらに激しい噴火を招いた場合、結果として来年の気候そのものを変えてしまう可能性を持っている。それは来年だけではなく、その先も含まれる。
現在すでにバルダルブンガの噴火は、上空に有害な二酸化硫黄ガスを噴出し続けているが、2015年には、ヨーロッパへさらに有害な雲を拡大していき、噴火はヨーロッパの気候パターンを変えてしまい、その結果として、穀物生産量が低下し、それは穀物価格の上昇と関係する。
誰もまだそのことについてふれていないが、今回のアイスランドのバルダルブンガ火山の噴火は、実は、過去1万年の中で最大規模の噴火だ。
バルダルブンガ火山の噴火の溶岩量は、1783年のラキ火山の噴火以来、最大の溶岩量を記録し、放出された二酸化炭素の量も最大であり、今後のヨーロッパの環境に大きな影響を与える。
この二酸化炭素の排出量は、フランス革命( 1787年 - 1799年)を招いたほどのパン不足をもたらした時の小麦の生産低下を招く可能性がある。
(転載終了)
阿蘇山噴火 噴煙は1,000m上空まで上がり、熊本市内からも確認(14/11/26)
LASTTRUENEWS 10.2014
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